今は天国にいる父へ。
あなたは生前こよなく山を愛し、独身の頃から、山登り、岩登りをしていて、多くの仲間と集っていたそうですね。
今でもあなたのその大切な親友の皆さんは、あなたの事を、13回忌が過ぎた今でも、大切な友人として、思ってくれています。
それは、あなたの人柄がそうさせてくれているのであり、息子である私も今でもお世話になっています。
東京に住んでいたのに、山を愛するあまり、北アルプスの近い長野出身の母と結婚し、結構自由に
登山を楽しんでいたらしいですが、私と妹が生まれてからは、私たち子供も連れて、家族で毎年登山に行くことも増えましたね。
普段は、口数の多いあなたが、登山に行くととても無口になり、山男に変身する様子を子供ながらに、黙々と山を一歩一歩登っていく、父であるあなたの背中を見つめながら、ちょっと頼もしく、そして、
また少し不思議に思ったことを、私はいまでも記憶しています。
普段の生活では、運送会社に勤めて、トラックドライバーで配達を担当し、過酷な勤務を毎日務め、
朝早くから夜遅くまで、家族のために働いてくれましたね。
私が父の会社でアルバイトをした時、毎日自分の仕事は終わっているのに、他の人の仕事を手伝っているので、遅くなったことを知って、ひょうひょうとして、口は悪いけど、黙々と冬の寒い中、荷物を片づけている姿に、感心したものです。
それは、私が社会人になったとき、そのことを思い出し、私もできるだけ、他の仲間の手助けができるようにと心がけるきっかけにもなりました。
それも、同じ物流業界に入社したのは、やっぱり、あなたの影響が大きかったと思います。
それまで元気だった、父が、がんになり、手術しましたが、再発、数十回の闘病生活を送るようになって、家族も本当に苦しみましたが、あなたは、泣き言ひとつ言わず、私と最後に病室で会った時も、
軽口を叩いて、看護師さんを笑わせていましたね。
病院では、看護師さんを始め、スタッフの皆さんに本当に人気物で、誕生会まで開いてもらいましたね。これは、特別なことらしいですよ。
そして、あなたが静かに天国へ旅立った後もあなたは、自分の体を、将来の医学に役立てて欲しいと、大学病院に献体しました。
最初から最後まで、父らしい、誰にも真似できない生き方をしたのだな、と私はあなたの事を思い出すたびに、照れくさいけど、ちょっとカッコイイじゃない!って思います。
本当に早く逝ってしまったあなたですから、もっと長く生きて、やりたいこともいっぱいあったかと思いますが、おそらく今頃は、天国で、大好きだった登山を、同じく遭難して命を失った山仲間とともに、自由に楽しんでいるのでしょうね。
…血は争えないというか、最近の私は、父であるあなたと同じように、登山に行くようになりました。
多分、天国から、「そんな登山なんて、全然なってないぞ。」なんて、笑っているんでしょうね。
あなたのお墓は、大好きだった、北アルプスを一望できる場所にあります。
もうすぐあなたの命日、そして、迎え盆です。
あなたの性格にどんどん似てきているような、孫も待ってます。
たまには、家に来て、この家族のことを見守ってくださいね。
父の日は、いつの間にか、私のための日になってしまったけど、私にとっては、ずっとあなたのための日であることに変わりはありません。
これが、あまりにも早く天国に旅立ってしまった、父であるあなたに宛てる私の言葉です。
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[ 2009/07/19 ]
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